ことわざシリーズという事で、今回は『角を矯めて牛を殺す』ということわざで少し展開してみる。僅かな欠点を直そうとして、全体を駄目にしてしまう事のたとえ。 このことわざのように、牛の角が曲がっている事など、本来大した事では無い。ただ格好悪いとかいった程度のものでしかない筈だ。牛を農耕用に使うとしよう。角が曲がっていても問題は無い。食用であったり、牛乳を取るためであったとしても同様だ。それを、単なる見栄えの問題だけで角をまっすぐにしようとして、かえって牛そのものを殺してしまっては、元も子もない。 枝葉末節に拘って……などと言うが、このことわざはまさにその枝葉末節に拘り、そこを修正しようとする手段にはまってしまった挙げ句、本来の筋を台無しにしてしまうという愚かなパターンを示していると言えるだろう。まさに本末転倒という事になる。 手段と目的という物を考えると、目的を達成する為に手段が存在しているのが普通だと思う。しかし、えてして目的の為には手段を選ばずになり、更にその手段自体が目的化していくという事が起こりうるものでもある。 例えばサイトを作るという目的があるとする。そして実際に作成し、公開したとしよう。これで最初の目的は達せられている。次にこのサイトをもっと人が見て楽しめる物にするという目的が出来るとしよう。作りたてのページは、大概質素である。コンテンツも少ない為、見るべきページも少ない。 ここでの欠点は、本来コンテンツ不足である筈だ。これは公開から先の地道な更新によって改善されていく筈であり、現在のみの欠点と言える。しかし、それを直そう(補おう、もしくは誤魔化そう)として、最初の内は色々な事をしてしまうものだ(以下、私の経験)。 壁紙に拘り、アニメGIFを散りばめ、JAVAアプレットやCGI等を使い、BGMを鳴らし……と派手になっていく。そうすると当然ページは重くなってしまう。お陰で誰も見に来ないページになってしまうという訳だ。手段が度を過ぎて全体を駄目にしてしまうという例になるかと思う。 ギリギリで気付いて回避したが、私自身、あのまま進んでたら重くて辛いサイトになっていただろうなと思う。内容が主である筈なのに、それがまだ少なく、更にそれ以外の所でマイナス要素を増やしたのでは…… しかし悲しいかな……こういった事はしばしば起こるものでもある。欠点を直そうとして、その事ばかりに拘った為にその他の事が疎かになり、かえって全体が駄目になったりする事は無いだろうか? 仕事をしていてよくやってしまうミスも、大した事が無いとはいえ、やはり直したい。そしてそのミスをしないように絶えず注意し続けた挙げ句、他の事のミスが起きてしまう……しかもそのミスの方がよっぽど拙いなどという事もある。現実に起こりうる例だが、心当たりは無いだろうか? 私個人の考えではあるが、誰にも欠点はある。そして長所もある筈だ。欠点を直そうとして自分の長所を殺してしまう愚を犯す事無く、長所を伸ばすようにし、ちょっとした欠点ぐらいはご愛嬌として笑って過ごす方が良いのでは無いだろうか? 勿論、周りに迷惑のかかる欠点や、その人自身を駄目にしかねないような欠点は、最優先で直すべきだとは思うが。優先順位をどうつけるか、という事になるかもしれない……角を矯めて牛を殺す事の無いよう、本来の目的、優先すべき事を考えた上で、行動するべきだと思う。その見つけ方、考え方というのは、経験しながら身につけていく事かもしれないが、まずは念頭に置いておく事が大事では無いだろうか? |
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[コラム・エッセイ]欠点に拘って長所を失っては元も子もない - ひとりごと
今回は「故事・ことわざ」シリーズという事で、『角を矯めて牛を殺す』で過去に書いた物(もうネット上に無いが)を手直ししてみた。タイトルは付け方を失敗したなぁ……「本筋を見極める事」が大事だという事を書いてるだから、そういうタイトルにしておけば良かった。諺 ...続きを見る |
明日は明日の風が吹く 2007/10/31 00:09 |
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